日本の年金制度で損をしないために。外国人が知っておくべき「意外な真実」と最新ルール(Vol.2)

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申請

4 払い損?帰国前に脱退一時金とは?受給のための条件

 前回の年金の加入の必要性を書きましたが、脱退一時金は、日本で厚生年金保険や国民年金に加入していた外国人が、帰国する際に受け取ることができる給付金です。ただし、「支払った額が全額戻る」わけではなく、日本年金機構が定める法律に基づいた計算式によって算出されます。


 受給するためには、日本年金機構に対して以下の条件をすべて満たした状態で請求を行う必要があります。

 ・日本国籍を有していないこと

 ・公的年金制度(厚生年金または国民年金)の加入期間が合計6か月以上あること

 ・日本を出国し、市区町村役場に転出届を提出して日本国内に住所がないこと

 ・老齢年金を受け取る権利(原則10年の加入期間)を満たしていないこと

 ・日本を出国してから「2年以内」に請求書を提出すること

 特に「2年」という期限を過ぎると、受給資格が完全に消滅してしまうため、帰国後は速やかに手続きを進めることが重要です。


  計算対象が「最大5年」から「最大8年」へ!

 今回の制度改正における最大の注目点は、脱退一時金の計算対象となる加入期間の上限が大幅に拡大されたことです。

 これまでの最大5年(60か月)分から最大8年(96か月)分まで拡大 これまでは、例えば「特定技能」などの在留資格で、5年以上日本で働いたとしても、5年を超える分の保険料は一時金の計算には一切反映されず、実質的に「払い損」になってしまうという課題がありました。

 2026年からの新ルールでは、最大8年分までが給付額に反映されるようになります。これにより、「技能実習から特定技能へ移行して長く働く人」や、通算で6年から8年程度日本でキャリアを積む人にとって、金銭的なメリットが非常に大きくなります。日本で中長期的に働くという選択が、これまで以上に報われる仕組みになったと言えるでしょう。


 日本年金機構の手続きで注意すべき「リセット」の注意点

 非常に便利な制度ですが、日本年金機構に脱退一時金を請求する前に、必ず理解しておかなければならない「代償」があります。 それは、「脱退一時金を受け取ると、その期間の年金加入記録がすべてリセットされる」という点です。

 例えば、40歳で一度帰国して8年分の一時金を受け取ったとします。その後、45歳で再び日本に来て働くことになった場合、以前の8年分は「なかったこと」になり、将来の老齢年金を受け取るために必要な10年間のカウントは、再びゼロからのスタートとなります。

 そのため、以下のような方は慎重な判断が必要です。

 ・将来、再び日本で働く可能性が高い方

 ・日本の永住許可(永住権)の取得を検討している方(年金の加入実 績が審査に影響する場合があるため)

 ・将来、日本の年金を毎月「老齢年金」として受け取りたい方

 また、日本と「社会保障協定」を結んでいる国(アメリカ、ドイツ、韓国など)の方は、日本での加入期間を自国の年金期間と合算できる場合があるため、一時金を請求せずに期間を残しておく方が得策なケースもあります。 .


 まとめ:将来のライフプランに合わせた選択を

 2026年の改正により、脱退一時金は長く日本で働く外国人にとってより手厚い制度へと変わります。 しかし、「今すぐまとまった現金を受け取る」ことが、将来の「老後の安心」を放棄することに繋がる可能性もあります。帰国を控えている方は、「今のお金」と「将来の年金」のどちらが自分や家族にとって大切か、自身のライフプランを一度じっくり見つめ直してみてください。

 具体的な受給見込み額や手続きの詳細については、日本年金機構の公式サイトを確認するか、社会保険労務士や年金事務所などの専門機関に相談することをお勧めします。正しい情報を得て、納得のいく選択をしましょう。具体的な手続きや最新の要件については、必ず日本年金機構の公式情報を参照してください。 (つづく)


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